旅の色、色の記憶
フランスのパレット
港千尋の写真の世界
Voyage en couleur, la palette française
展示期間:5月31日(木)~7月28日(土)
場所:Maison des musées francais 地下鉄銀座駅より徒歩5分
入場無料
A Ginza il y a un petit musée: la
Maison des musées du français. Là, a lieu
l'exposition de Chihiro Minato. Il est photographe. Né en
1960 à Kanagawa, il continue de tenter l'aventure à
travers les images en voyageant.
Ses œuvres sont des instantanés. Il
prend l’image d’un endroit en un instant. Ses photos sont simples en apparence mais elles
ont un équilibre inconscient de couleur. Selon lui, les couleurs
traditionnelles en France, utilisées largement, constitue un assortiment de
couleurs très intéressant. Les
contrastes et les tensions se produisent entre elles par le jeu des couleurs
complémentaires et de la clarté.
Et il remarque une relation entre les couleurs
et les sons. C'est-à-dire, il ajoute des poèmes français dans ses œuvres. Il a
choisi les propos sur la couleur dans les œuvres de Rimbaud, Proust et Beckett,
il les a superposés.
Il dit que si vous avez entendu le
nom d’un lieu, Bastille, Montparnasse et
Champs-Élysée, vous mettez les pieds
dans Paris à ce moment-là et dans la ville, l'action de "marcher" est
très importante. Paris donneune image non seulement aux visiteurs mais aussi
aux personnes qui n'y visitent pas. Quand vous allez à la maison des musées
français, cela vous donne davantage envie de voyager !
銀座にこぢんまりとした美術館がひっそりとたたずんでいる。そこでは、世界中の景色、特にフランスの景色の作品を撮り続ける港千尋の写真展が開催されている。彼は1960年神奈川に生まれ、旅を通してイメージの冒険を続ける写真家である。
この展覧会の作品はすべてスナップショットの手法で撮影されている。ある場所で、ある時に感じられた空間が瞬間的にとらえられ、一見単純に見えるスナップショットが、無意識の色彩バランスをも持ち得ている。彼によれば、「フランスの豊かな伝統色は、デザインをはじめ幅広く使われているが、現実的にも興味深い配色をもって日常空間をつくっている。そうした配色は、おそらく無意識の深いレベルで、わたしたちに働きかけている」という。一見変哲もないワンショットの中で、補色や彩度差、明度差が巧みに使われ、対比関係、緊張感を生み出している。
そして彼は色彩と音の深い関係にも注目する。彼がとらえた瞬間に詩を加えるのである。ランボーやプルースト、ベケットをはじめとした詩人の傑作から色彩についての言葉が選ばれ、イメージに重ねられている。つまり彼らの詩が透かし文字となって、写真の表面にあたる光の角度によって浮かび上がるのである。
彼は「旅」、特にパリの旅に関してこう言及している。「バスチーユ、モンパルナス、シャンゼリゼ…もしこれらの名をどこかで聞いたことがあるとすれば、その時点で人はパリのなかへ一歩踏み出している。どんな都市にも人が歩き、馬が走り、そして自動車が景観を変えてしまうという歴史がある。『歩く』という行為が特別な意味をもってきた都市として、パリはそこを訪れる人だけでなく、そうでない人にもイメージを与えてきた。」彼は旅を通して、見る人を都市の中に引きこんでいく。彼の写真展へ足を運んだ時、知らず知らずのうちに自分も色彩と音の旅に出ていることであろう。そしてもっともっと遠くへ旅に出たくなることであろう。
岡村光
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